プロットの作り方・私見(担当:水煙)

およそ三ヵ月ぶりのリレー更新でございます。関係各位全方位へ精神的に土下座しています。申し訳ありません。言い訳をすればいろいろとあるのですが下らないことですので、以下、本題です。

 

 

 

今回はいつもどのようにプロットを作っているかを、自身の備忘も兼ねて記したいと思います。

 

 

私が作品を書きだす契機は二つあります。一つは「書きたいシーンを思いついたとき」でもう一つは「テーマを与えられたとき」です。ただ、後者の場合はテーマに沿うので考えやすいということはあっても、結局書きたいシーンが思い浮かばなければ書けません。

 

 

今回の作品の書きたいシーンが決まりました。これを仮に「ABのリコーダーを舐めているシーン」としましょう。恐らく人生で一度として書くことのない場面だと思います。ここからプロット作りが始まります。

 

 

その一。そのシーンに具体性をつけていきます。意識はしていませんが、基本的には5WHに沿っていると思います。今回の場合だと

 

 

 

  When  夏休み(季節)・朝方(時間)

 

  Where  高校の裏山(大きな場所)・木立の影(小さな場所)

 

  Who   A

 

  What  Bのアルトリコーダー(具体的に)

 

  Why   Aに強い好奇心がある(ぼんやりと)

 

  How   組み立ててある・満遍なく何度も舐めまわす(具体的に)

 

 

 

垢嘗もドン引くくらい念入りに舐めているイメージです。ここで注意したいのはサクッと決めることです。出だしで深く考えても碌なものが仕上がらないのでサクッと決めてしまいます。作品を書き進めて支障が出ればリコーダーを水着に変えるくらいします。

 

 

もう一つ注意していることは、理由(動機)の部分もサクッと決めてしまうことです。それとぼんやりとさせることです。

 

 

私がこのシーンから作品を作る場合、最も重要視するのは「なぜABのリコーダーを舐めるに至ったのか、その動機と経緯」です。人の行動には何かしらの理由があるはずです。無意識であっても変わりません。登場人物の意識的、無意識的な理由を探るのです。そしてそれは、小説を書き進めていく中で段々とはっきりしていくのです。

 

 

私は他人のリコーダーを舐めまわす人の気持ちは全く分かりません。しかし、「ABのことが好きで、思春期特有の間違えた方向に思いを爆発させてしまった結果として舐めている」と終わらせてしまっては、普通です。では、なぜこのようなフェチズムに至ったのか、そこを書きたい。

 

 

Aは別段リコーダーを舐めるだけでなくもっと別な風にフェチズムを発散させることもできたはずです。そこで私は、Aは口や舌、唾液を使うことに執着しているのではと推測します。すると次に準備するのは、口や舌、唾液への執着のもとになった原体験です。

 

 

今回はよくあるパターンで母親との接触不良を原体験に置きましょう。

 

 

 

  Why   母親が乳房からの授乳を拒否した。

 

 

 

これで作品中に「ABのリコーダーを舐めている」シーンと「Aが母親から授乳を拒否される」シーンの二つが出来上がりました。後者のシーンについては同じように5WHで肉付けをします。

 

 

最初のシーンを起点に過去のエピソードが浮かび上がりました。次に未来、つまり結末を考えます。

 

 

こんなリコーダーを舐めまわすといった衝撃的なシーンがあるのですから、結末もぶっ飛んだ展開にしたいです。作品の盛り上がり方は線グラフの変動をイメージしますが、物語全体として振れ幅の大きい作品は、それに伴って結末も極端なものにします。逆も然りです。

 

 

思い付きですが、いきなり第三者Cを登場させましょう。そしてACの眼球を舐めさせます。止めましょう。作者が追い付きませんのでACの乳房を吸ってもらいます。これが結末です。このシーンに関しても同じように肉付けをします。

 

 

これで「Aが母親から授乳を拒否される」「ABのリコーダーを舐める」「ACの乳房を吸う」の一連の流れが出来上がりました。大雑把にはこれで完成で、その間間のエピソード、それらを書き並べる順番など細かいことは書きながら考えます。よしなに。

 

 

 

 

さて、登場人物の設定についてですが、これは上記物語を考えるのと同時並行で固まっていきます。私思うに、人物の性質と生じる事柄は相関関係にあり、このような性質だからあのような事柄が生じ、あのような事柄が生じたからこのような性質だ、と言えるのです。

 

 

今のところ、今回の主要人物は「A」「B」「C」「Aの母親」です。

 

 

人物がある程度揃った時点で、私は人物相関図を作ります。それから一人ひとりに長ったらしい性質をつけていきます。できればその性質に関するエピソードを考えます。そのエピソードも作品に組み込めますし、これらの過程で新たな人物が登場した場合は、その人物についても掘り下げを行います。

 

 

例えば、ABの関係性。私はAをあからさまな異常人にしたくはありませんので、平凡であった人間がいかにフェチズムに身をやつすか、ということを中心に二人の関係を書き出したいと思います。安易にするならBにも何かしらのフェチズムをつけます。

 

 

次に、ACの関係性。Cを社会人にすると物語の空間が広がっていいと思います。この二人をどうつなげるか、楽しそうです。

 

 

さらに、AAの母親の関係。ここは主に、なぜAの母親は授乳を拒否したのかについての、母親の体験を追求します。

 

 

今の人物関係図のままではA以外の人物がバラバラです。その良し悪しは個々人の判断です。関係性を複雑にするならいくらでもできます。得意です。

 

 

 

 

結果としまして、「母親との、特に乳房への接触不良を原体験に持つAは、あるきっかけからBのリコーダーを舐めるに至ったが、最終的にCの乳房を吸う」という小説の骨格が完成しまして、個々の登場人物についてもまとめることができました。

 

 

 

 

こんな感じです。以上、プロットの書き方私見でした。